今回は現代野球観戦の象徴とも言えるでしょう、データや数値に関する知識解説を紹介していこうと思います。
1.なぜ新しい数値が?
ここ数年流行っている数値といえばOPS、WHIP、WARその他にもこういった英単語の数値、セイバーメトリクスというんですが、どういった意図があって生まれてたのか?
従来の数値といえば打者で言えば打率、打点、本塁打、出塁率、ピッチャーで言えば勝利数、防御率、奪三振数とかあります。
これらの数値はチーム力の影響が個人の成績に影響することが多い。
例えば打点はランナーがいる状況で打席が回ってきて打つ方が打点は稼げる訳が、ランナーが溜まっているかどうか?は自分の力ではない。
それこそ2023年の大谷選手はHR王には輝きましたが、打点はトップ10にすら入っていません。
14位なんですよね。
2023年ア・リーグ打点ランキング上位5人を見てみると
どこも大谷が2023年に所属しているエンゼルスより強いチーム
ちなみに2023年のチーム打率は
なので、3位に入っているマリナーズのフリオ・ロドリゲスが異例ではあるんですが、それ以外はチーム打率が上位のチームになっています。
だから大谷選手の所属する球団の打率が良ければ、もっと打点は稼げていたかもしれない。
こういったように従来の成績や数値は選手個人の能力を評価するには少し曖昧なんじゃないのか?
という事で生まれたのが、OPSやWHIPやWARといったようなセイバーメトリクスと言われる新しい数値、基準ですね。
これらの数値は出来るだけチームの影響を反映せず、個人の能力がそのまま反映されるように計算されています。
今までとは違って純粋な個人の能力を測る数値っていう事ですね。
これで弱いチームにいるからといって過小評価される選手は少なくなり、みんなを公平にみる基準が生まれたということ、そして今までとは違う観点、違う視点での野球の楽しみ方を提供していると言えます。
従来の数値→チームの影響が個人成績にも影響する
セイバーメトリクス→出来るだけチームの影響がないように計算
OPS
OPSは打者に関する数値で、出塁率と長打率を足して計算されます。
なのでOPSが高い=出塁率が高く長打率も高い=点が取れる、点に絡む可能性が高い選手と判断することができます。
そして数値の基準はこうなっています。
ここで、読み方なんですけど、これを.900だったら9割.833だと8割3部3厘と呼ぶんですが、打率と重なって訳分からん事になると思います。
なのでオススメの読み方を紹介します。
OPSは100点のテスト化してみよう
僕式、里都式の覚え方は100点満点のテストの点数のように見れば分かりやすいと思います。
例えば.900なら90点.833なら83.3点と考えていけば、打率とも分けられて覚えやすいし、その数値が悪いかどうかも簡単に分かる。
例えば.700は普通となっていますが、テストの点数で70点が普通くらいじゃないですか?
60点台に入ると悪いテストと感じると思います。
1.025という数字もあり得ますが、それで10割2分5厘って訳すと、なんか違和感あるので、102.5点と考えるとテストとしては最高だと分かります。
WHIP
WHIPはピッチャーに関する指標で、1イニング当たり何人のランナーを出すか?という数字です。
計算方法は与えた四球と打たれたヒットの数を投球回で割ると出てきます。
基準はこうなっています。
これはそのままの数値で見れば良いかなと、1なら1回に1人しかランナーを出さないといことになります。
WAR
これは複雑です。
素人が計算するのは不可能で、そして定義も難しいんですよ。
同じポジションの代替可能な選手に比べてどのくらい勝利に貢献したか?ということを示す指標で、高いほど良いんですけど、まずこの文が分かりにくい。
なので、僕なりの捉え方としはピッチャーとかバッターとかポジション関係なく、良い選手は誰ですか?っていう総合ランキング的な数値と捉えても良いのかなって思っています。
しかもこのWARはサイトというか計算の仕方によってはf WARとかr WARとかゆったりして、いくつか有力数値があって、それによって数値の基準も変わってくるんですよね。
なので本当に難しい数値です。
防御率
防御率は9回投げたら何点取られるか?という数値です。
投球イニング÷自責点で出すことができます。
ちなみにメジャーの画面で表示される時はERAと表示されて、メジャーだと大体3点台エース級、2点台でサイ・ヤング賞級となります。
ちなみに2023年のMLBではこうなっています。
2023年のア・リーグ一位はヤンキースのコールで2.63
ナ・リーグがパドレスのスネルで2.25なので、やはり3点を切ると超一流ですね。
QS
QSとは6回以上をを3失点以内に抑える事、HQSは7回以上を2失点以内に抑える事です。
なのでQS率40%であれば、先発して6回3失点以内に抑える可能性が4割という見方になります。
K/BB
奪三振と与四球の比率で、投手の制球力を示す数値の1つです。
計算方法は奪三振÷与四球で出すことができます。
三振多くとって四球出さないピッチャー、四球を1つ出す間に三振をいくつ取るか?とも言えます。
三振も四球も野手は全く関係ないので、まさにピッチャーの地力、投手自体の能力を示す数値の1つですね
数値が高いほど良いです。
ちなみに2023年のデータはこうなっています。
ヒット打たれるのもコントロール悪い
従来は四球出す=コントロール悪いと決めていたが、ヒット打たれるのもコントロールが悪いと言える。
打たれてるってことは基本的に甘いコースだったり、思うところに投げれていないことが多いので、そういう意味で奪三振と四球を割って制球力を評価しているのは有効な数値です。
K%
K%は今、目の前のバッターを何%で三振に取るか?っていう確率のこと。
例えば、これがK%15%なら今目の前のバッターを三振に取る確率が15%だということ。
K%は結構実況者が使ったりするので、覚えておいた方が良いでしょう。
「このピッチャーはK%高いピッチャーなので三振取る確率は高いですよー!」とか言います。
奪三振率
似たような表現で奪三振率があるんですが、奪三振率は9回あたりいくつ三振を出すのか?っていう数値で、例えば奪三振率が9なら9回投げたら9個三振を取るということ、1イニングに1つ取る計算ってこと。
9を切ると1イニングに1つは取れないとなる。
なので目の前のバッターを三振に取る確率と1試合でどのくらい三振を取るか?っていう数字の違いがありますね。
UZR
同じポジションの選手と比較してどれだけ優れた守備を見せたか?という数値。
とても難しい計算や定義なので、簡単に説明するとこんな感じ。
シンプルに良いプレーしたらプラス。
アウトに出来るゾーンのボールが取れなかったり、エラーしたりするとマイナス評価が積み重なるという認識でも大丈夫です。
そして基準がこちら
UZRもWARもですが比較しての数値になるので、その年のポジションや誰がどうなっているか?が大きく反映されるので、ちょっと運的要素もあります。
そして、実は当てにならないとの声も一定数あると言われています。
打点&得点圏打率
個人的に覚えておいた方が良いと思うのは打点と得点圏打率ですかね
打点は自分が打ってランナーが入った数の合計ですね。
犠牲フライでも1点入れば打点位が1つきます。
なんだかんだで野球は点取り合戦なんで打点よりOPSって言う風潮があるかもしれませんが、打点は重要視される点だと思っています。
そして次に重要視するのが得点圏打率。
ちなみにランナーが2塁3塁にいる状況を得点圏といいます。
まとめ
趣味として楽しむレベルなら今日紹介した
OPS、WHIP、WAR、防御率(ERA)、QS率、K\BB、UZR、打点、得点圏打率
くらいで良いと思います。
複合的判断が必要
今回会えてサイバーメトリクスという新しい数値だけじゃなく、従来の防御率とか打点とかを出したかというと、これらを複合的に判断して選手を評価することが1番大切だからです。
サイバーメトリクスだけでも選手を正当には評価できないし、従来の評価だけでも無理。
さらに、それぞれの野球感や見方によって選手の評価は変わります。
それで良いと思うし、それがスポーツ観戦というものなんで。
なので自分なりの野球観を見つけましょう。
そして、野球観戦は今まで1つしかなかった。
試合を見るという野球観戦しかなかったが、情報の発展SNSの発展、データ分析の発展により、試合ではなく情報を楽しむというもう1つの観戦方法を生み出したのが現代です。
是非楽しんでいきましょう。