2024年の甲子園、興南高校の左投手が注目されていた事で、卒業生でプロに行った同じ左腕の島袋投手と宮城投手が話題となった。
ここで「伝統校から毎年同じような選手が出てくる秘密」というテーマで紹介します。
ブランディングのおかげ
伝統のある高校から同じような選手が出てくる理由は「育て方が上手いから」じゃない「ブランディングのおかげ」という話です。
今回のように興南からは定期的に左投手の良い投手が出てくるよなーとなった時に、左投手を育てるノウハウがしっかりしているからだ!と思われがちだ。
確かにデータやノウハウはあるかもしれない。
しかし「良い左投手が出てくる=左投手の育て方を知っている」というブランディングのおかげで、「レベルアップを求める良い左投手が勝手に集まってくる」という説もあるだろう。
もしくは先輩に憧れて左投手が集まりやすくなっているか。
例えば「機動力野球」と謳い、足の速い選手で勝ち抜く、もしくはそう思わせるような戦術で何年か戦っていると、足に自慢のある選手が勝手に集まってくる。
選手は「この高校なら自分の強みを活かせる」と思うからだ。
結果「あそこの高校はずっと機動力野球してるよね、足の速い選手が出てくるよね」となる。
これは足が速くなるノウハウを持っているんじゃなく、ブランディングのおかげで足の速い選手が集まっているという事。
ブランディングのおかげで良い素材を手に入れているという事である。
ノウハウも大事だが、ブランディングの集客力は高校野球でも侮れない戦略の1つと言える。
どうやってブランディングするか?
ブランディングは監督や高校が意図して作り上げる事もできるし、偶然が重なり「たまたま」そうなってしまう事もある。
私たちは「〇〇野球をします、〇〇な選手が集まっています。〇〇な選手に入学してほしいです。チャンスを多く与えます。」と言い続ける事、それに伴う戦術で戦い続けることでブランディングすることはできるだろう。
時間はかかるが、伝統校は言い続けて来たからブランディングできている。
一瞬にしてブランディングする事もできる。
たまたまスター選手が生まれてきて、そのスター選手に憧れる同じようなタイプの選手が集まってくるパターンもあるし、意図的に1人のスター選手を作り出すことに成功すれば、次の年から似たような選手を集める事もできるようになるだろう。
明確なビジョンと監督がやりたい野球があるなら、入学してもらう時点でハッキリと伝えておく事が選手のためでもあるし、高校のためでもある。
毎年強いチームを作れる高校は大体「こういう野球をします。こんな選手が欲しいです」と謳っているだろう。
明確なビジョンを打ち出し、ブランディングする事で良い選手を獲得する。